プレゼン資料を作るとき、PowerPointを開いたものの、最初の一枚から手が止まることがあります。情報はあるのに、「何を、どの順番で伝えるか」が決まっていない状態です。
生成AIは、この白紙の状態から構成案を作る作業に向いています。ただし、「プレゼン資料を作って」と頼むだけでは、一般論を並べた資料になりがちです。目的、聞き手、持ち時間、聞き手に取ってほしい行動を先に渡す必要があります。
今回の架空ケース
社内の管理職向けに、新しい申請ツールの試行導入を提案します。
- 聞き手:各部署の管理職15人
- 持ち時間:10分
- 現状:申請内容の不備により、月30件ほど差し戻しが発生
- 提案:2部署で3か月間試行する
- 求める結論:試行導入への合意
数値や組織は説明用の架空例です。
AIへ依頼する前に整理する6項目
- プレゼンの目的
- 聞き手と、その人たちの関心事
- 現在の問題
- 提案内容
- 持ち時間と希望枚数
- 聞き手に取ってほしい行動
コピーして使えるプロンプト
あなたは社内提案資料の構成を支援する編集者です。
以下の条件で、10分間のプレゼン資料の構成案を作ってください。
【目的】新しい申請ツールの3か月間の試行導入について承認を得る
【聞き手】各部署の管理職15人
【聞き手の関心】現場の負担、導入費用、情報管理、効果測定
【現状】申請不備による差し戻しが月30件程度ある
【提案】まず2部署で試行し、差し戻し件数と作業時間を比較する
【持ち時間】10分
【希望枚数】表紙を除いて6枚
【出力形式】
スライド番号/見出し/そのスライドで伝える結論/必要な根拠や図表
【注意】
・入力されていない費用や効果を推測しない
・1枚につき結論は1つにする
・最後は承認してほしい事項を明記する
初回構成案の例
| 番号 | 見出し | 伝える結論 |
|---|---|---|
| 1 | 現在の申請業務の課題 | 差し戻しが継続的に発生している |
| 2 | 差し戻しが生む負担 | 申請者と承認者の双方に再作業がある |
| 3 | 新ツールで変わること | 入力時点で不備を減らせる可能性がある |
| 4 | 試行導入の範囲 | 2部署・3か月に限定する |
| 5 | 効果の測り方 | 差し戻し件数と作業時間で比較する |
| 6 | 承認いただきたいこと | 試行導入の実施可否を決めてほしい |
そのまま使えない点
初回案は流れが整っていても、次の問題が残ります。
- 「新ツールで不備が減る」と断定している
- 導入費用と情報管理への回答がない
- 現行業務と試行中の役割分担が分からない
- 試行を中止する条件がない
構成が自然に見えると、根拠不足を見落としやすくなります。
修正プロンプト
構成案を次の条件で修正してください。
・効果は未検証なので「減らせる可能性」に統一する
・導入費用と情報管理は、現時点で確認が必要な項目として明記する
・試行中の申請者、承認者、運用担当の役割を1枚に整理する
・試行中止の判断条件を追加する
・全体を6枚以内に保つ
資料へ移す前の確認表
- 最初の2枚で問題と影響が伝わるか
- 提案の範囲が必要以上に広がっていないか
- 未確認の数字をAIが補っていないか
- 聞き手が気にする費用・負担・安全性に触れているか
- 最後に「何を決めてほしいか」が一文で書かれているか
AIに任せない部分
実績値の正しさ、社内ルール、費用、セキュリティ、最終判断は人が確認します。AIは説得の根拠を作るのではなく、手元にある根拠を伝わる順番へ並べる補助役です。
まとめ
生成AIでプレゼン資料を作るときは、スライドの装飾より先に、目的と聞き手を具体化します。構成案を作らせた後に、断定表現、根拠不足、聞き手の懸念を確認することで、白紙から考える負担を減らしながら、判断に必要な資料へ近づけられます。
関連記事
資料を作った後の質疑応答まで準備したい方は、プレゼン・会議の想定問答をAIで作る方法もご覧ください。
コメントを残す