評価シーズンになると、部下一人ひとりの評価コメントを考えるのに時間を取られ、本来の業務が圧迫される。管理職の方なら一度は経験があるのではないでしょうか。特に部下の人数が多いほど、コメントの質にばらつきが出やすく、負担も大きくなります。この記事では、評価コメントの下書きをAIに任せ、管理職の負担を減らす方法を紹介します。
なぜこの業務から始めるべきか
評価コメントは、期中の実績メモや1on1の記録さえあれば、AIが得意とする「情報の整理と文章化」で十分に対応できる業務です。ゼロから文章を考える負担が減るだけでなく、AIに事実と評価を分けて整理させることで、感情的・主観的になりがちな評価コメントを、根拠に基づいた客観的な内容に近づけられるという副次的な効果もあります。評価者ごとの記述量や熱量のばらつきを減らせる点も、人事側から見たメリットです。
具体的な手順
①期中に記録していた実績メモ、1on1の議事録、目標管理シートの内容をAIに渡す
②「達成した成果」「課題として残った点」「今後期待すること」の3つに分けてコメント案を作成させる
③抽象的な表現(「頑張っていた」など)ではなく、具体的な行動や数値に基づく表現に言い換えるようAIに指示する
④評価者自身が、部下との関係性や期中の細かいやり取りを踏まえて文面を調整する
⑤人事部門や上長など第三者が、表現の妥当性や評価基準との整合性を確認してから本人に共有する
つまずきやすい点
AIに任せきりにすると、どの部下に対しても似たような当たり障りのないコメントになり、本人が「自分を見てくれていない」と感じてしまうことがあります。必ず本人固有のエピソードを一つは盛り込む、という運用ルールを決めておくと防げます。また、評価コメントは人事考課や給与に直結する機密性の高い情報のため、社外のAIサービスに実名や具体的な数値を含めて入力する際は、会社が許可したツールを使うなど情報管理のルールを守ることが欠かせません。
効果・まとめ
評価コメント作成の負担が減ることで、管理職は部下との対話や業務の振り返りそのものに時間を割けるようになります。実際に導入した現場では、評価コメントの記述量と質のばらつきが減り、部下からの納得感が上がったという声もありました。文章作成の手間を減らすことは、評価の質を上げることにも直結します。
実際に使えるプロンプトと回答例
コピーしてそのまま使えるプロンプト
あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「人事評価コメントのドラフト作成をAIに任せる」の文章を作成してください。
条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください
AIへの入力例
背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。
AIが作った回答例
【人事評価コメントのドラフト作成をAIに任せる(サンプル)】
件名:人事評価コメントのドラフト作成をAIに任せるについて
いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。
・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)
以上、よろしくお願いいたします。
修正前と修正後の比較
修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。
修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。
使う際の注意点
AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。
ハルさんが実際に試した感想
実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。
どのくらい時間を短縮できたか
ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。
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