新しい提案書を作るたびに、白紙のスライドを前にして手が止まってしまった経験はないでしょうか。提案書・企画書の作成は説得力のある構成を考える必要がある割に、担当者一人の発想力に頼りがちな業務です。今回は、提案書・企画書のたたき台作成にAIを取り入れる具体的な進め方と、実際につまずいた点を紹介します。
なぜこの業務から始めるべきか
提案書・企画書のたたき台作成は、伝えたい要点という整理しやすい材料がある、過去の提案書という参考データがある、最終的な提出判断は必ず人が行うため誤りが即座に大きな損害につながりにくい、という条件がそろっています。契約書のように法的拘束力を持つ文書を扱う業務と違い、AIに任せるのは「要点をもとにしたたたき台の構成作成」という比較的手堅い作業のため、精度の検証もしやすいのが特徴です。担当者がAIのたたき台を確認・修正する体制さえ作れば、リスクを少なくしながら作成の手間を減らせます。
具体的な手順
①提案の目的・相手・伝えたい要点をリスト化し、AIに読み込ませる。
②AIに提案書の構成案とスライドごとの見出しを作成させる。
③たたき台を担当者が確認し、自社の実情に合わない内容がないか確認する。
④実際に相手に響かなかった構成のパターンを記録する。
⑤提案先の業種が変わるたびに、AIに読み込ませる情報も更新する。
つまずきやすい点
最初につまずきやすいのは、AIが作成したたたき台をそのまま提出してしまうことです。実在しない実績や、根拠のない数値をAIが盛り込んでしまうことがあります。実際に、AIが生成した架空の導入事例数を含む提案書を、提出直前に担当者が気づいて修正したケースもありました。AIは「構成案の作成係」であり「提出内容の最終責任者」ではない、という前提を周知しておく必要があります。また、伝えたい要点があいまいなままだと、AIが作る構成の説得力自体が落ちる点にも注意が必要です。
効果・まとめ
要点を整理したうえでAIにたたき台作成を任せる体制にしたところ、担当者は白紙から構成を考えるのではなく、たたき台を確認・修正するだけで済むようになり、提案書作成にかかる時間を減らせたという声があります。重要なのは、AIに任せるのは「たたき台の作成まで」とし、提出内容の最終確認は必ず人が行うという線引きを崩さないことです。提案書・企画書の作成は、伝えたい要点という材料があるからこそAI活用の効果を確かめやすい業務だといえます。
実際に使えるプロンプトと回答例
コピーしてそのまま使えるプロンプト
あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「提案書・企画書のたたき台作成をAIに任せる」の文章を作成してください。
条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください
AIへの入力例
背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。
AIが作った回答例
【提案書・企画書のたたき台作成をAIに任せる(サンプル)】
件名:提案書・企画書のたたき台作成をAIに任せるについて
いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。
・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)
以上、よろしくお願いいたします。
修正前と修正後の比較
修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。
修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。
使う際の注意点
AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。
ハルさんが実際に試した感想
実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。
どのくらい時間を短縮できたか
ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。
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