「有給休暇の取得率が低い」という課題を抱える会社は多いものの、誰にいつ声をかければよいかを毎回人事担当者が個別に考えるのは意外と負担の大きい作業です。取得状況のデータをもとに、声かけの優先順位リストと一言メッセージ案をAIに作らせることで、この作業を効率化できます。
なぜこの業務から始めるべきか
有給取得の促進は法律上も求められる取り組みですが、対象者が多いほど「誰が未取得か」「誰にどう声をかけるか」の整理に時間がかかります。データの整理自体は単純作業でありながら、声かけの文面には気配りが必要という、AIと人の分担がはっきりしやすい業務です。取得推進が後回しになりがちな会社ほど、仕組み化の効果を実感しやすいテーマでもあります。ある会社では担当者が繁忙期に対象者リストの作成を後回しにした結果、期末になって一斉取得が発生し、現場が混乱したこともありました。
具体的な手順
①勤怠システムなどから、社員ごとの有給取得日数・残日数の一覧を出力する
②取得率が低い社員を抽出する条件(残日数◯日以上など)を決め、AIに対象者リストの整理を依頼する
③AIに「声をかけられる側が負担に感じない、柔らかい一言メッセージ案」を複数パターン作らせる
④上司や人事担当者が対象者との関係性を踏まえて、メッセージ案から適切なものを選ぶ
⑤取得後は一覧を更新し、次回の声かけタイミングをAIに再計算させる運用にする
つまずきやすい点
取得率という数字だけを見て機械的に声をかけると、体調や家庭の事情など個別の背景を無視した対応になりかねません。AIが作るのはあくまで「一般的な声かけ文案」であり、実際に誰にどう伝えるかの最終判断は必ず上司や人事担当者が行ってください。また、勤怠データや個人の休暇取得理由をAIに入力する際は、個人情報の取り扱いに関する社内ルールに沿っているかを事前に確認することが欠かせません。一律の文面をそのまま全員に送ると、かえって「管理されている」印象を与えてしまう点にも気を配りましょう。
効果・まとめ
声かけの準備作業をAIに任せることで、人事担当者は「誰に何と言うか」を考える時間から、「実際に声をかける」行動そのものに時間を使えるようになります。仕組みを整えてから半年ほど運用すると、取得率の底上げにつながったという声も少なくありません。データ整理と文面のたたき台はAI、気配りが必要な最終判断は人、という役割分担を意識してください。
実際に使えるプロンプトと回答例
コピーしてそのまま使えるプロンプト
あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「有給休暇取得の声かけリスト作成をAIに任せる」の文章を作成してください。
条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください
AIへの入力例
背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。
AIが作った回答例
【有給休暇取得の声かけリスト作成をAIに任せる(サンプル)】
件名:有給休暇取得の声かけリスト作成をAIに任せるについて
いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。
・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)
以上、よろしくお願いいたします。
修正前と修正後の比較
修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。
修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。
使う際の注意点
AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。
ハルさんが実際に試した感想
実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。
どのくらい時間を短縮できたか
ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。
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