新規提案や社内会議のたびに、競合他社のサービス内容や価格を一から調べ直している。営業や企画の現場では珍しくない光景です。情報収集自体はそれほど難しくなくても、複数社分を横並びで整理するのに時間がかかり、肝心の分析や提案づくりに時間が回らなくなってしまいます。この記事では、競合比較表の作成にAIを活用し、情報整理の時間を削る方法を紹介します。
なぜこの業務から始めるべきか
競合比較は、公開情報を集めて一定のフォーマットに整理するという、AIが得意とする作業と相性の良い業務です。各社の公式サイトや資料から集めた情報をAIに渡せば、価格帯・機能・強み弱みといった項目で整理された比較表の叩き台を短時間で作成できます。情報整理の手間が減ることで、担当者は「その情報から何が言えるか」という分析や提案の部分に時間を使えるようになります。
具体的な手順
①比較したい競合他社の公式サイトや資料、プレスリリースなど公開情報をAIに渡す
②比較したい観点(価格、機能、サポート体制、ターゲット層など)をあらかじめ決めておき、AIにその項目で整理させる
③情報の出典(どのページ・いつ時点の情報か)を必ず併記させ、後で裏取りできるようにする
④集めた情報だけでは判断できない項目(実際の使用感など)は、空欄のままにしてもらい、無理に埋めさせない
⑤自社の担当者が実際の商談や導入事例で得た一次情報を加えて、比較表を仕上げる
つまずきやすい点
AIは古い情報や公開されていない情報を、もっともらしく補って出力してしまうことがあります。価格や機能といった変わりやすい情報は必ず出典元を確認し、公開日が古いものは使わないようにする必要があります。また、競合他社の内部情報や非公開の契約条件など、正規に入手していない情報を推測で埋めることは避けるべきです。比較表はあくまで公開情報の整理として使い、機密性の高い分析は人が別途行うという役割分担を明確にしておきましょう。
効果・まとめ
比較表作成の下調べにかかる時間が減ることで、提案や会議の準備に余裕が生まれます。実際に活用しているチームでは、資料作成の時間が減った分、想定質問への準備など提案の中身を練る時間に充てられるようになったといいます。情報を集める時間を減らし、考える時間を増やすことが、この取り組みの狙いです。
実際に使えるプロンプトと回答例
コピーしてそのまま使えるプロンプト
あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「競合他社比較表の作成をAIに任せる」の文章を作成してください。
条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください
AIへの入力例
背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。
AIが作った回答例
【競合他社比較表の作成をAIに任せる(サンプル)】
件名:競合他社比較表の作成をAIに任せるについて
いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。
・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)
以上、よろしくお願いいたします。
修正前と修正後の比較
修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。
修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。
使う際の注意点
AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。
ハルさんが実際に試した感想
実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。
どのくらい時間を短縮できたか
ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。
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