公開日:2026年8月29日更新日:2026年8月30日
中小企業では、管理職になった後も自分の実務を手放せない「プレイングマネージャー」がほとんどです。プレイヤー業務とマネジメント業務のどちらも中途半端になり、部下育成が後回しになるケースは珍しくありません。本記事では、限られた時間の中で両方の役割を無理なく回すための現実的な進め方を紹介します。
なぜこの業務から始めるべきか
プレイングマネージャーの時間配分は、意識して設計しない限り自然にプレイヤー業務へ偏ります。目の前の受注や納期は数字として見えるため優先されやすく、部下育成や1on1は成果が見えにくいため後回しにされがちです。この偏りが続くと、部下が育たずマネージャーの実務負担がさらに増えるという悪循環に陥ります。役割の両立は精神論や気合いではなく、スケジュールの仕組みで解決すべき課題として捉える必要があります。
具体的な手順
①週の始めに「プレイヤー業務」と「マネジメント業務」を別の色で予定表に色分けし、マネジメント業務の時間が週の2割を下回っていないか確認する。
②1on1や育成に使う時間は、他の予定より先に確保する。空いた時間に入れる運用では、繁忙期に真っ先に削られてしまう。
③自分にしかできない業務を洗い出し、部下に任せられるものから権限委任のリストを作る。判断基準を先に文書化しておくと引き渡しがスムーズになる。
④月に一度、上司や他部署の管理職とプレイヤー業務量について認識をすり合わせ、抱えすぎを防ぐ。
⑤半年に一度、実際の時間配分を振り返り、当初の目標割合とのズレを確認して調整する。
つまずきやすい点
最も多い失敗は、「自分がやった方が早い」という理由で結局プレイヤー業務に戻ってしまうことです。短期的には正しい判断に見えても、部下に仕事を渡す機会を自ら減らし続けることになります。また、マネジメント時間を確保しても、実際には部下の急な相談やトラブル対応に使われてしまい、育成に充てる時間が形だけになっている例もよく見られます。予定表に時間を確保するだけでなく、その時間に何をするかまで具体的に決めておくことが重要です。
効果・まとめ
プレイヤー業務とマネジメント業務を意識的に分けて管理することで、部下への権限委任が進み、結果的にマネージャー自身の負担も軽くなっていきます。両立は気合いではなく仕組みの問題だと捉え、まずは1週間分の予定表を色分けして現状を可視化するところから始めてみてください。
実体験:現場で困った場面とやってみたこと
自分が困った場面
「プレイングマネージャーが自分の業務とマネジメント業務を両立させる進め方」というテーマについて、最初からうまく対応できていたわけではありません。実際にこの場面に直面したとき、何をどう伝えればよいのか分からず、対応に迷った経験があります。頭では分かっていても、いざその場になると言葉が出てこないことがよくありました。
実際に使った言葉
「あの、もし可能であれば、なんですが…できる範囲でいいので、少し考えていただけたらと…」
今振り返ると、要点がぼやけてしまい、相手に何を求めているのかが伝わりにくい言い方だったと思います。
うまくいかなかった対応
遠慮がちな伝え方を続けた結果、意図が正しく伝わらず、対応が後回しにされたり、認識のズレがそのまま残ってしまったりすることがありました。かといって、はっきり言おうとすると今度は言葉がきつくなりすぎてしまい、相手との距離ができてしまうこともありました。曖昧に伝えることと、きつく伝えすぎること、どちらも関係を難しくする原因になっていました。
次に変えたこと
「相手への配慮を示す言葉」と「伝えたい内容」を分けて話すように意識を変えました。まず相手の立場や状況をねぎらう一言を添えたうえで、伝えたいことは要点を絞ってはっきり伝える。この順番を意識するだけで、相手の受け止め方が明らかに変わりました。
現場で使えるチェックリスト
- ☐ 相手への配慮を示す言葉を先に一言添えたか
- ☐ 伝えたい内容を曖昧にせず、具体的に伝えられているか
- ☐ 期限や優先度をはっきり伝えたか
- ☐ 一方的な指示・命令口調になっていないか
- ☐ 相手の立場や事情を尊重する姿勢を示せているか
- ☐ 伝えたあとに、相手の反応を確認できているか
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