公開日:2026年7月23日更新日:2026年8月30日
「パスワードを忘れた」「経費精算システムの使い方が分からない」。IT・総務部門には毎日似たような問い合わせが寄せられ、担当者はその都度同じ説明を繰り返しています。よくある質問への一次回答をAIに任せることで、担当者は個別対応が必要な案件に時間を使えるようになります。
なぜこの業務から始めるべきか
社内ヘルプデスクの問い合わせは、内容が重複しやすく、かつ回答の正解(マニュアルや規程)が社内に存在することがほとんどです。AIが答えを一から創作する必要がなく、既存資料をもとに回答文を組み立てるだけなので、比較的安全に導入できる業務です。
具体的な手順
①過去の問い合わせ履歴から、よくある質問を洗い出す
②該当するマニュアルや規程の該当箇所をAIに渡し、回答文のたたき台を作らせる
③たたき台をもとに社内FAQとして整理し、蓄積していく
④新しい問い合わせが来た際は、担当者がFAQを踏まえてAIに一次回答文を作らせ、内容を確認してから返信する
⑤定期的にFAQの内容が最新かどうかを見直す
つまずきやすい点
AIは古い情報や誤った情報でも自信ありげに回答を作成してしまうことがあるため、必ず最新のマニュアル・規程を参照させ、担当者が内容の正確性を確認してから送る運用が必須です。特にアカウント権限やセキュリティに関わる問い合わせは、AIの回答をそのまま送らず、必ず人が最終判断する範囲を明確にしておく必要があります。
効果・まとめ
定型的な問い合わせへの対応時間が減ることで、担当者は個別性の高い相談やシステムトラブルなど、本来注力すべき業務に集中できます。FAQの蓄積が進むほど回答の精度も上がるため、小さく始めて継続的に育てていくのがポイントです。
実際に使えるプロンプトと回答例
コピーしてそのまま使えるプロンプト
あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「社内ヘルプデスク(IT・総務)の一次回答をAIに任せる」の文章を作成してください。
条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください
AIへの入力例
背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。
AIが作った回答例
【社内ヘルプデスク(IT・総務)の一次回答をAIに任せる(サンプル)】
件名:社内ヘルプデスク(IT・総務)の一次回答をAIに任せるについて
いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。
・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)
以上、よろしくお願いいたします。
修正前と修正後の比較
修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。
修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。
使う際の注意点
AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。
ハルさんが実際に試した感想
実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。
どのくらい時間を短縮できたか
ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。
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