公開日:2026年8月1日更新日:2026年8月30日
新しい取引先と契約する際、与信調査(相手先の支払い能力や経営状況の確認)を担当者の経験と勘だけで済ませてしまっている会社は少なくありません。今回は、集めた与信関連の情報(決算公告や登記情報、取引実績など)をAIに整理してもらい、判断材料として見やすくまとめる方法を紹介します。
なぜこの業務から始めるべきか
与信調査は与信管理の専門部署がない中小企業では後回しにされがちな業務です。バラバラに集めた情報を都度見返すだけでは判断基準が担当者ごとにぶれてしまい、取引開始後にトラブルが発覚するリスクが高まります。情報を整理する型があれば、誰が担当しても一定の判断材料をそろえられます。
具体的な手順
①与信調査で確認したい項目(設立年数、資本金、業歴、取引実績、支払いサイトなど)をAIに伝える
②集めた情報(公開情報の範囲内)を箇条書きでAIに渡し、項目ごとに整理した一覧の形にしてもらう
③情報が不足している項目があれば、追加で確認すべき点をリストアップしてもらう
④取引条件の目安(取引限度額の考え方など)を検討する際の観点を提案してもらう
⑤整理した資料をもとに、最終判断は必ず経営者や与信担当者が行う
つまずきやすい点
与信判断そのものをAIに任せることはできません。AIはあくまで情報を整理し、確認漏れを防ぐ役割にとどめ、取引の可否や与信限度額といった最終判断は人が行う必要があります。また、信用情報機関の有料データなど、入力してよい情報とそうでない情報の線引きは事前に社内で決めておくことが重要です。
効果・まとめ
情報が整理されているだけで、与信判断にかかる時間が短縮され、確認漏れによる後々のトラブルを防ぎやすくなります。新規取引先が増えるタイミングで、まずは整理のフォーマットを作るところから始めてみてください。
実際に使えるプロンプトと回答例
コピーしてそのまま使えるプロンプト
あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「取引先与信調査資料の整理をAIに任せる」の文章を作成してください。
条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください
AIへの入力例
背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。
AIが作った回答例
【取引先与信調査資料の整理をAIに任せる(サンプル)】
件名:取引先与信調査資料の整理をAIに任せるについて
いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。
・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)
以上、よろしくお願いいたします。
修正前と修正後の比較
修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。
修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。
使う際の注意点
AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。
ハルさんが実際に試した感想
実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。
どのくらい時間を短縮できたか
ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。
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