公開日:2026年7月30日更新日:2026年8月30日
地震や台風、システム障害が起きたとき、「まず何をすればいいか」を全社員が即座に思い出せる会社は多くありません。BCP(事業継続計画)は大企業だけのものと思われがちですが、中小企業ほど初動の遅れが致命傷になります。今回は、災害時に最初の30分でやるべきことをまとめた「初動対応チェックリスト」の作成をAIに任せる方法を紹介します。
なぜこの業務から始めるべきか
BCPと聞くと分厚い計画書を想像しますが、現場が本当に必要としているのは「地震が来た直後に何をするか」の短いチェックリストです。ゼロから作ろうとすると防災担当者の負担が重く、後回しにされがちな業務の代表格です。AIに骨子を作らせれば、着手のハードルが大きく下がります。
具体的な手順
①自社の拠点数、営業時間、扱う設備(火気・薬品・重機など)をAIに伝える
②想定するリスク(地震・水害・停電・システム障害)を1つずつ挙げてもらう
③各リスクについて「発生直後」「1時間以内」「当日中」に分けてやることを出してもらう
④誰が何を担当するか(安否確認担当、顧客連絡担当など)の役割分担案を追加してもらう
⑤出てきた案を人事・総務担当者と現場責任者で確認し、実際の設備配置や連絡網に合わせて修正する
つまずきやすい点
AIは一般論としては網羅的な項目を出しますが、自社特有の設備や立地のリスク(浸水想定区域かどうかなど)は把握していません。ハザードマップの確認結果を伝えないまま使うと、的はずれな項目が混ざることがあります。また、緊急連絡先や避難場所など固有名詞は必ず人が最終確認し、AIの出力をそのまま公開しないことが重要です。
効果・まとめ
チェックリストのたたき台があるだけで、防災訓練や社内周知の準備時間は大きく短縮されます。完成後は年に1回、内容が実態に合っているか見直す運用にすると、作りっぱなしを防げます。まずは自社の拠点情報をAIに渡すところから始めてみてください。
実際に使えるプロンプトと回答例
コピーしてそのまま使えるプロンプト
あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「BCP・災害時初動対応チェックリスト作成をAIに任せる」の文章を作成してください。
条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください
AIへの入力例
背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。
AIが作った回答例
【BCP・災害時初動対応チェックリスト作成をAIに任せる(サンプル)】
件名:BCP・災害時初動対応チェックリスト作成をAIに任せるについて
いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。
・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)
以上、よろしくお願いいたします。
修正前と修正後の比較
修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。
修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。
使う際の注意点
AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。
ハルさんが実際に試した感想
実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。
どのくらい時間を短縮できたか
ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。
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