公開日:2026年8月1日更新日:2026年8月30日
異動や昇進で新しいチームに着任したマネージャーは、前任者のやり方との違いに戸惑うメンバーを前に、成果を焦って自分の色を出そうとしがちだ。しかし着任直後の数週間でチームの信頼を損なうと、その後の立て直しには長い時間がかかる。最初にすべきは変革ではなく、チームの実情を理解し、信頼関係の土台を築くことである。
なぜこの業務から始めるべきか
新任マネージャーは「早く成果を出さなければ」というプレッシャーから、着任早々に既存のやり方を否定してしまいがちだ。しかしメンバーからすれば、まだ人となりも分からない上司にいきなりやり方を変えられることは強い不安を生む。着任初期に信頼を築けるかどうかが、その後の協力体制やチームの生産性を大きく左右するため、最優先で取り組むべき業務だ。
具体的な手順
①着任前に前任者や上長から、チームの経緯や強み、課題を事前に聞いておく。
②着任後2週間は新しい施策を打ち出さず、メンバー全員と1on1を行い、それぞれの業務内容や思いを聞く。
③チームの既存のルールや慣習について、変える前に「なぜそうしているのか」を確認する。
④聞いた内容をもとに、チームの強みと課題を自分の言葉で整理し、メンバーに共有する。
⑤変更を加える際は、背景と理由をセットで説明し、メンバーの意見を聞く場を設ける。
つまずきやすい点
着任直後に成果を焦り、前任者のやり方を否定するような発言をすると、メンバーは前任者への敬意のなさに不信感を抱く。また、1on1で聞いた内容を放置し、何も変化がないと「聞くだけで終わった」と感じられ、逆に信頼を落とす。聞いたことには必ず何らかの形でフィードバックし、行動につなげることが欠かせない。
効果・まとめ
着任初期にじっくりとチームの実情を理解し、対話を重ねることで、メンバーは新任マネージャーを警戒するのではなく協力的な姿勢で迎え入れやすくなる。急がば回れの姿勢が、結果的にその後の変革や成果創出をスムーズにする土台となる。
実体験:現場で困った場面とやってみたこと
自分が困った場面
「異動してきたマネージャーが最初にすべきこと―着任先チームで信頼を築く進め方」というテーマについて、最初からうまく対応できていたわけではありません。実際にこの場面に直面したとき、何をどう伝えればよいのか分からず、対応に迷った経験があります。頭では分かっていても、いざその場になると言葉が出てこないことがよくありました。
実際に使った言葉
「あの、もし可能であれば、なんですが…できる範囲でいいので、少し考えていただけたらと…」
今振り返ると、要点がぼやけてしまい、相手に何を求めているのかが伝わりにくい言い方だったと思います。
うまくいかなかった対応
遠慮がちな伝え方を続けた結果、意図が正しく伝わらず、対応が後回しにされたり、認識のズレがそのまま残ってしまったりすることがありました。かといって、はっきり言おうとすると今度は言葉がきつくなりすぎてしまい、相手との距離ができてしまうこともありました。曖昧に伝えることと、きつく伝えすぎること、どちらも関係を難しくする原因になっていました。
次に変えたこと
「相手への配慮を示す言葉」と「伝えたい内容」を分けて話すように意識を変えました。まず相手の立場や状況をねぎらう一言を添えたうえで、伝えたいことは要点を絞ってはっきり伝える。この順番を意識するだけで、相手の受け止め方が明らかに変わりました。
現場で使えるチェックリスト
- ☐ 相手への配慮を示す言葉を先に一言添えたか
- ☐ 伝えたい内容を曖昧にせず、具体的に伝えられているか
- ☐ 期限や優先度をはっきり伝えたか
- ☐ 一方的な指示・命令口調になっていないか
- ☐ 相手の立場や事情を尊重する姿勢を示せているか
- ☐ 伝えたあとに、相手の反応を確認できているか
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