会議前のアジェンダ作成をAIに任せる ― 「集まってから考える」をやめる

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会議室に集まってから「今日は何を決める会でしたっけ」と誰かが聞く。この光景に心当たりがある方は多いのではないでしょうか。議事録をAIに作らせる取り組みはかなり広まってきましたが、その一歩手前、会議が始まる前のアジェンダ作成にAIを使っている会社はまだ少数派です。今回は、会議の「入り口」をAIで整える方法を紹介します。

なぜこの業務から始めるべきか

アジェンダ作成は、資料を読み込む必要がなく、過去のメールやチャットのやり取りさえあれば数分で叩き台ができるため、AI活用の入り口として非常に取り組みやすい業務です。しかも効果はその会議一回だけでなく、参加者全員の準備時間、そして会議そのものの時間に波及します。「決める会議」と「共有するだけの会議」を事前に切り分けられるだけで、無駄な会議は目に見えて減ります。

具体的な手順

①直近のメールやチャットの経緯、前回議事録をAIに渡し、今回話し合うべき論点を箇条書きで出させる

②論点ごとに「決定したいこと」「共有したいだけのこと」「持ち帰って検討すること」に分類させる

③各論点に想定所要時間をつけてもらい、合計時間が会議の枠に収まっているか確認する

④参加者に事前確認してほしい資料やデータがあれば、あわせてリストアップさせる

⑤たたき台を会議招集者が5分ほど見直し、必要な論点の抜け漏れがないか目視でチェックしてから配布する

つまずきやすい点

AIが作るアジェンダは一見きれいに整いすぎてしまい、実際には優先度の低い論点まで律儀に時間配分してしまうことがあります。招集者による最終チェックを省略すると、本来15分で終わる会議にAIが40分の枠を提案してくることも珍しくありません。また、社外秘の取引条件などをそのままAIに渡すのは避け、固有名詞や金額は伏せた要約を渡すなど、情報の扱いには注意が必要です。参加者側も「AIが作ったから絶対」と鵜呑みにせず、違和感があれば遠慮なく修正する空気を作っておくことが大切です。

効果・まとめ

アジェンダが事前に共有されているだけで、参加者は該当箇所だけ準備すればよくなり、会議の脱線も減ります。ある企業では、週次定例の所要時間が平均10分短縮されたという声もありました。会議のたびにゼロから議題を考えるのではなく、AIに叩き台を出させて人が仕上げる。この小さな変化が、社内の会議文化そのものを見直すきっかけになります。

実際に使えるプロンプトと回答例

コピーしてそのまま使えるプロンプト

あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「会議前のアジェンダ作成をAIに任せる」の文章を作成してください。

条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください

AIへの入力例

背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。

AIが作った回答例

【会議前のアジェンダ作成をAIに任せる(サンプル)】

件名:会議前のアジェンダ作成をAIに任せるについて

いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。

・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)

以上、よろしくお願いいたします。

修正前と修正後の比較

修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。

修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。

使う際の注意点

AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。

ハルさんが実際に試した感想

実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。

どのくらい時間を短縮できたか

ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。

機密情報・個人情報の取り扱いにご注意ください
AIに入力する際は、実在する取引先名・顧客名・社員名や、金額・住所・連絡先などの個人情報・機密情報をそのまま入力しないようにしてください。入力する場合は「〇〇株式会社」「Aさん」のように仮名・伏せ字に置き換え、公開してもよい一般的な情報にとどめることが大切です。

この記事を書いた人:ハル

40代会社員・二児の父。仕事や子育ての悩みと向き合いながら、AI活用やマネジメントについて、調べて試したことを発信しています。

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