公開日:2026年7月28日更新日:2026年8月30日
FAQページを作ったのに、同じような質問が問い合わせ窓口に届き続けている――という状態は珍しくない。原因の多くは、FAQの内容が実際によく聞かれる質問とずれていること。過去の問い合わせ履歴をAIに分析させ、FAQを更新すべきポイントを見つける作業から始めると、問い合わせ対応の負担そのものを減らせる。
なぜこの業務から始めるべきか
問い合わせ履歴はメールやチャットのログとしてすでに社内に蓄積されており、新たなデータ収集は不要。既存データを整理・分類するだけなので取り組みやすく、FAQ改善という具体的な成果に直結しやすい。
具体的な手順
①直近1~3か月分の問い合わせ内容(メールやチャットの本文)を、個人情報を除いてテキストでまとめる
②AIに「この問い合わせ一覧を内容ごとに分類し、件数が多いテーマ順に並べてください」と依頼する
③上位に挙がったテーマのうち、現在のFAQページに載っていないもの・説明が不足しているものを洗い出す
④AIに、それぞれのテーマについてFAQの質問文・回答文の下書きを作らせる
⑤現場の担当者が内容の正確さを確認したうえで、FAQページに反映する
つまずきやすい点
問い合わせ本文に顧客名や電話番号などの個人情報が含まれたまま渡してしまうと情報漏えいのリスクがある。分析用に渡す前に、個人が特定できる情報を必ず削除・置き換えることを徹底したい。また、件数が少ないテーマを過大評価してFAQに追加しすぎると、ページが読みにくくなる点にも注意が必要。
効果・まとめ
問い合わせ傾向を定期的に分析してFAQを更新するようにしたことで、同じ質問への一次対応にかかる時間が減ったという例は多い。FAQを「作ったら終わり」にせず、問い合わせデータをもとに育てていく仕組みとしてAIを活用するのがポイントになる。
実際に使えるプロンプトと回答例
コピーしてそのまま使えるプロンプト
あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「問い合わせ内容の傾向分析をAIに任せる」の文章を作成してください。
条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください
AIへの入力例
背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。
AIが作った回答例
【問い合わせ内容の傾向分析をAIに任せる(サンプル)】
件名:問い合わせ内容の傾向分析をAIに任せるについて
いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。
・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)
以上、よろしくお願いいたします。
修正前と修正後の比較
修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。
修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。
使う際の注意点
AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。
ハルさんが実際に試した感想
実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。
どのくらい時間を短縮できたか
ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。
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