公開日:2026年8月29日更新日:2026年8月30日
「取扱説明書を作ったが、結局お客様から同じ質問が何度も来る」。そんな悩みを抱える担当者は多いはずです。専門用語が並ぶマニュアルは書き手の視点で作られがちで、使う人が本当に知りたい手順が抜け落ちてしまいます。AIを使えば、製品情報を伝えるだけで「使う人視点」の分かりやすい説明書のたたき台を短時間で作成できます。今回は、その具体的な進め方と注意点を紹介します。
なぜこの業務から始めるべきか
取扱説明書や使い方ガイドは、作成する度にゼロから構成を考える必要があり、担当者の負担が大きい業務です。しかも、問い合わせ対応やクレーム対応に直結するため、分かりにくさは企業の信頼にも影響します。一方で、AIは製品の機能や手順を文章化する作業を得意としており、ゼロからのドラフト作成では大幅に時間を短縮できます。問い合わせが多い項目から優先的に整備すれば、問い合わせ対応の削減効果も早く実感できます。
具体的な手順
①対象製品・サービスの基本情報と、よくある問い合わせ内容を洗い出す。②それらをAIに伝え、初心者でも追える手順の流れで説明書の構成案を作らせる。③構成案をもとに、各セクションの本文をAIにドラフトさせる。④実際の操作手順と照らし合わせ、手順の抜けや順番の違いを人の目で修正する。⑤実際に使う人(新人スタッフや顧客候補)に読んでもらい、分かりにくい箇所を最終調整する。
つまずきやすい点
注意したいのは、AIが実際の製品仕様と異なる手順をもっともらしく書いてしまうことがある点です。AIは一般的な製品の知識をもとに文章を作るため、自社製品固有の仕様や例外ケースまでは反映できません。また、安全に関わる警告文や注意事項は、法的リスクを避けるためにも必ず専門部門や担当者のダブルチェックが必要です。AIはあくまで初版作成の助けとして位置づけ、最終的な正確性の確認は人が行うことが重要です。
効果・まとめ
取扱説明書・使い方ガイドの作成をAIに任せれば、ゼロからの構成検討と初版ドラフトにかかる時間を大幅に短縮できるのが最大のメリットです。特に、問い合わせが多い項目から整備すれば、問い合わせ対応の削減効果も早く実感できます。ただし、AIは自社製品固有の仕様や安全上の注意事項までは保証できないため、内容の正確性確認と実際に使う人での検証は人が行う必要があります。AIを「苦手な初版作成の一歩目」として使い、正確性の確認と実用性の検証は人が担う——この役割分担を意識すれば、取扱説明書作成はAI活用の良い第一歩となるはずです。
実際に使えるプロンプトと回答例
コピーしてそのまま使えるプロンプト
あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「顧客向け取扱説明書・使い方ガイド作成をAIで効率化」の文章を作成してください。
条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください
AIへの入力例
背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。
AIが作った回答例
【顧客向け取扱説明書・使い方ガイド作成をAIで効率化(サンプル)】
件名:顧客向け取扱説明書・使い方ガイド作成をAIで効率化について
いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。
・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)
以上、よろしくお願いいたします。
修正前と修正後の比較
修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。
修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。
使う際の注意点
AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。
ハルさんが実際に試した感想
実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。
どのくらい時間を短縮できたか
ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。
コメントを残す