公開日:2026年7月20日更新日:2026年9月11日
初めて1on1を任されると、「何を質問すればよいか」「雑談だけで終わらないか」と不安になります。質問を大量に準備すると、今度は面接のようになり、部下の話を十分に聞けません。
最初の1on1で大切なのは、問題をすべて解決することではありません。この時間の目的と使い方を共有し、次も話せる関係をつくることです。
1on1と進捗確認・評価面談の違い
| 項目 | 1on1 | 進捗確認・評価面談 |
|---|---|---|
| 中心 | 部下の考えや困り事 | 業務状況・成果 |
| 主に話す人 | 部下 | 双方または上司 |
| 目的 | 対話、支援、気づき | 確認、判断、指導 |
| 扱う話題 | 仕事、関係、成長、体調 | 目標、期限、評価 |
進捗を扱ってはいけないわけではありません。ただし、報告だけで時間を使い切らないようにします。
初回に伝える説明例
この1on1は、評価を決める面談ではなく、仕事で困っていることや今後考えたいことを話す時間にしたいと思っています。毎回すべて話す必要はありません。話した内容の扱いで希望があれば、その都度確認します。まず今日は、この時間をどう使うと話しやすいか相談させてください。
秘密にできない内容や共有が必要なケースについて、社内ルールに沿って説明しておくことも必要です。
30分の基本的な流れ
| 時間 | 内容 | 質問例 |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 状態確認 | 最近の調子はどうですか |
| 5〜10分 | 話題を選ぶ | 今日は何について話せるとよさそうですか |
| 10〜22分 | 話を掘り下げる | 具体的には、どんな場面で困っていますか |
| 22〜27分 | 支援を考える | 私にできる支援はありますか |
| 27〜30分 | 確認 | 今日決めたことと次回の話題を確認しましょう |
時間配分は目安です。重要な話が出たときは、予定した質問を消化する必要はありません。
話題別の質問例
仕事の負担
- 今、一番時間を使っている仕事は何ですか
- 進めにくい理由はどこにありますか
- 減らしたり、助けを求めたりできる仕事はありますか
チーム内の関係
- 連携しにくいと感じる場面はありますか
- 情報が足りない、相談しにくいと感じることはありますか
- 私の関わり方で変えてほしいことはありますか
成長・キャリア
- 最近、できるようになったと感じることは何ですか
- 今後経験してみたい仕事はありますか
- そのために必要な支援は何だと思いますか
話題がないと言われたとき
「特にありません」は、問題がない場合もあれば、何を話してよいか分からない場合もあります。
「今すぐ困り事を出さなくても大丈夫です。仕事量、人間関係、今後やってみたいことの中で、近い話題はありますか」
選択肢を出してもなければ、無理に掘り下げません。
「今日は短めに終えても大丈夫です。次回までに気になったことがあれば、メモしておいてください」
沈黙したときの対応
質問後、すぐに別の質問を重ねず数秒待ちます。それでも言葉が出なければ、質問を狭めます。
「直近1週間の中で、やりにくかった作業はありましたか」
沈黙を埋めるために上司が自分の話を長くすると、部下が話す時間がなくなります。
避けたい失敗例
- 質問リストを上からすべて聞く
- 部下の話を聞くたびに、すぐ解決策を提示する
- 1on1で初めて評価上の問題を伝える
- 上司の経験談が会話の大半を占める
- 前回の話を忘れ、毎回ゼロから始める
アドバイスをする前に、「一緒に方法を考えますか。それとも今日は話を聞く方がよいですか」と確認すると、求められている支援とずれにくくなります。
面談後のメモ
残す内容は、次回の対話に必要な範囲へ絞ります。
- 本人が話した主なテーマ
- 上司が対応すること
- 部下が試すこと
- 次回確認すること
- 共有範囲について確認した内容
健康、家庭、人間関係などの私的な情報は、社内規程と本人の意向を踏まえて慎重に扱います。
初回の確認表
- 1on1の目的を説明したか
- 評価面談との違いを伝えたか
- 部下が話題を選べるようにしたか
- 話す割合が上司に偏っていないか
- すぐに解決策を押しつけていないか
- 次回までの約束を1つ以内に絞ったか
まとめ
初めての1on1では、上手な質問よりも、目的と役割を共有することが先です。30分の流れを用意しつつ、部下が選んだ一つの話題を聞き、必要な支援を確認します。解決できない日があっても、次に話せる状態を残せれば、1on1を続ける土台になります。
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