契約書のひな形(テンプレート)作成をAIに任せる ― ゼロから作らない契約書準備

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新しい取引形態が発生するたびに、契約書をゼロから作り直して時間がかかってしまった経験はないでしょうか。契約書のひな形作成は必要な条項を漏れなく盛り込む必要がある割に、法務担当者一人の知識に依存しやすい業務です。今回は、契約書のひな形作成にAIを取り入れる具体的な進め方と、実際につまずいた点を紹介します。

なぜこの業務から始めるべきか

契約書のひな形作成は、取引内容という整理しやすい材料がある、過去に使用した契約書という参考データがある、最終的な法的判断は必ず人(必要に応じて弁護士)が行うため誤りが即座に大きな問題にならない、という条件がそろっています。個別案件の交渉そのものと違い、AIに任せるのは「取引内容をもとにしたひな形の下書き作成」という比較的手堅い作業のため、精度の検証もしやすいのが特徴です。担当者がAIの下書きを確認する体制さえ作れば、リスクを抑えながらひな形作成の手間を減らせます。

具体的な手順

①想定する取引内容・当事者・重視したい条件をAIに読み込ませる。
②過去に使用した契約書もAIに読み込ませ、条項構成に沿ったひな形の下書きを作成させる。
③下書きを担当者が確認し、自社の取引実態に合わない条項がないか確認する。
④実際にトラブルになった契約条件を記録し、次回のひな形作成に反映する。
⑤取引形態や社内規定が変わるたびに、AIに読み込ませる情報も更新する。

つまずきやすい点

最初につまずきやすいのは、AIが作成したひな形をそのまま契約書として使ってしまうことです。一般的な条項をそれらしく整えるものの、自社特有のリスクに対応した条項が抜け落ちてしまうことがあります。実際に、AIが作成したひな形に自社が重視する秘密保持の範囲に関する条項が含まれておらず、使用前に担当者が気づいて追加したケースもありました。AIは「ひな形の下書き係」であり「契約内容の最終責任者」ではない、という前提を周知しておく必要があります。また、想定する取引内容があいまいなままだと、AIが作るひな形の実用性自体が落ちる点にも注意が必要です。

効果・まとめ

取引内容を整理したうえでAIにひな形の下書き作成を任せる体制にしたところ、担当者は条項を一から検討するのではなく、下書きを確認・修正するだけで済むようになり、契約書準備にかかる時間を減らせたという声があります。重要なのは、AIに任せるのは「下書き作成まで」とし、契約内容の最終確認は必ず人が行うという線引きを崩さないことです。契約書のひな形作成は、過去に使用した契約書という参照可能なデータがあるからこそAI活用の効果を確かめやすい業務だといえます。

実際に使えるプロンプトと回答例

コピーしてそのまま使えるプロンプト

あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「契約書のひな形(テンプレート)作成をAIに任せる」の文章を作成してください。

条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください

AIへの入力例

背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。

AIが作った回答例

【契約書のひな形(テンプレート)作成をAIに任せる(サンプル)】

件名:契約書のひな形(テンプレート)作成をAIに任せるについて

いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。

・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)

以上、よろしくお願いいたします。

修正前と修正後の比較

修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。

修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。

使う際の注意点

AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。

ハルさんが実際に試した感想

実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。

どのくらい時間を短縮できたか

ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。

機密情報・個人情報の取り扱いにご注意ください
AIに入力する際は、実在する取引先名・顧客名・社員名や、金額・住所・連絡先などの個人情報・機密情報をそのまま入力しないようにしてください。入力する場合は「〇〇株式会社」「Aさん」のように仮名・伏せ字に置き換え、公開してもよい一般的な情報にとどめることが大切です。

この記事を書いた人:ハル

40代会社員・二児の父。仕事や子育ての悩みと向き合いながら、AI活用やマネジメントについて、調べて試したことを発信しています。

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