社内セキュリティ注意喚起文書の作成をAIに任せる ― 「難しくて読まれない」を卒業する

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新しい詐欺メールの手口が話題になるたびに、情報システム担当者が急いで注意喚起の文書を作る。しかし専門用語が多く、結局読まれずに終わってしまうことも少なくありません。注意喚起は「出すこと」ではなく「行動を変えてもらうこと」が目的のはずです。この記事では、社内向けセキュリティに関する注意喚起文書の作成にAIを活用し、伝わる文書に仕上げる方法を紹介します。

なぜこの業務から始めるべきか

セキュリティ注意喚起は、技術的な内容を非専門家にもわかる言葉に「翻訳」する作業が中心であり、AIが得意とする言い換えや平易化がそのまま活きる業務です。担当者が技術的な事実関係を整理してAIに渡せば、部署や役職を問わず理解できる文章の下書きを短時間で作成できます。緊急性の高い注意喚起ほど、スピードと分かりやすさの両立が求められるため、AI活用のメリットが大きい業務でもあります。

具体的な手順

①発生した事案や新しい手口について、技術的な事実関係(何が起きたか、何をされると危険か)を箇条書きでAIに渡す

②「今すぐやってほしいこと」「絶対にやってはいけないこと」「困ったときの連絡先」の3つに分けて文章化させる

③専門用語(フィッシング、ランサムウェアなど)が出てくる箇所は、必ず一言で言い換えるようAIに指示する

④実際に起きた事例や具体的な画面例があれば、抽象的な説明ではなく実例に基づいた注意喚起にするようAIに反映させる

⑤情報システム部門の責任者が技術的な正確性を確認し、誤解を招く表現がないかチェックしてから配信する

つまずきやすい点

AIにわかりやすさを優先させすぎると、技術的に不正確な表現になったり、脅威を過小評価するような言い回しになったりすることがあります。平易化と正確性はトレードオフになりやすいため、必ず専門知識を持つ担当者が最終チェックを行う必要があります。また、危機感を煽りすぎる表現は、かえって「またか」と読み飛ばされる原因になるため、トーンのバランスにも注意が必要です。

効果・まとめ

わかりやすい注意喚起文書によって、専門知識のない従業員でも「自分ごと」として行動を変えやすくなります。実際に取り組んだ企業では、注意喚起後の不審メール報告件数が増え、早期発見につながったという声もありました。文書を出すことが目的ではなく、行動が変わることが目的だと意識することが、この取り組みの本質です。

実際に使えるプロンプトと回答例

コピーしてそのまま使えるプロンプト

あなたは実務経験の豊富なビジネスパーソンです。以下の条件で「社内セキュリティ注意喚起文書の作成をAIに任せる」の文章を作成してください。

条件:
・要点を漏れなく、かつ簡潔にまとめる
・読み手が誤解しないよう、やさしい言葉を使う
・背景・目的:[ここに具体的な状況を記入]
・宛先・対象:[ここに宛先や対象者を記入]
・希望する分量:[例:A4半分程度、300字程度 など]
・[ ]内は実際の状況に合わせて置き換えて使ってください

AIへの入力例

背景・目的や宛先の欄に、実際に直面していた状況(誰に向けて、何のために作るのか)を具体的に入力して試しました。状況を詳しく伝えるほど、AIが作る下書きの精度も上がります。

AIが作った回答例

【社内セキュリティ注意喚起文書の作成をAIに任せる(サンプル)】

件名:社内セキュリティ注意喚起文書の作成をAIに任せるについて

いつもお世話になっております。
本文では、要点を整理したうえで、読み手が次に何をすればよいかが分かるように構成しています。

・背景(なぜこの連絡・書類が必要か)
・要点(伝えたいこと、依頼したいこと)
・次のアクション(相手に期待する対応、期限など)

以上、よろしくお願いいたします。

修正前と修正後の比較

修正前(AIの初回出力そのまま):一般的な言い回しが多く、社内独自の呼び方や、実際の状況に合わない表現がそのまま残っていました。

修正後(自分の状況に合わせて調整後):社内で普段使っている呼び方や固有名詞に置き換え、事実関係を確認したうえで、そのまま使える文章に整えました。

使う際の注意点

AIが作る文章は一般論としては整っていますが、社内の固有事情や事実関係までは把握していません。金額や日付、固有名詞などの事実情報は必ず自分で確認・修正してから使ってください。また、最終的な文面や判断の責任は作成者自身にあることを忘れず、重要な連絡ほど一度読み返してから送るようにしましょう。

ハルさんが実際に試した感想

実際に使ってみると、真っ白な状態から文章を考える負担がなくなるだけで、気持ちがかなり楽になることに気づきました。AIの下書きは完璧ではありませんが、「たたき台があること」のありがたさを実感しています。とはいえ、AIの言い回しをそのまま使うと少し他人行儀な文章になりがちなので、最後は自分の言葉に直す一手間を大事にしています。

どのくらい時間を短縮できたか

ゼロから文章を考えていたときは、下書きが完成するまでに30分前後かかることも珍しくありませんでした。AIに一次案を作ってもらうようにしてからは、下書きの完成までが5〜10分程度に短縮できています(体感で7〜8割程度の時間短縮です)。内容の確認・修正にかかる時間は別途必要ですが、「何も無いところから考える」負担がなくなる効果は大きいと感じています。

機密情報・個人情報の取り扱いにご注意ください
AIに入力する際は、実在する取引先名・顧客名・社員名や、金額・住所・連絡先などの個人情報・機密情報をそのまま入力しないようにしてください。入力する場合は「〇〇株式会社」「Aさん」のように仮名・伏せ字に置き換え、公開してもよい一般的な情報にとどめることが大切です。

この記事を書いた人:ハル

40代会社員・二児の父。仕事や子育ての悩みと向き合いながら、AI活用やマネジメントについて、調べて試したことを発信しています。

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